免疫とは、身体全体を正常な状態に保つ働きをする自己防衛システムのことです。体内に侵入したウイルス、病原菌といった異物への攻撃や傷ついた細胞の修復、また老廃物や発生したがん細胞の除去などの働きがあります。免疫で大切な役割を担うのが白血球です。免疫の1つは自然免疫と言い、もともと人間の体に備わっている機能です。もう1つの免疫である獲得免疫とは、後天的に獲得される免疫です。体という城を守る兵士のような存在。それが免疫です。
免疫力が低下する原因の1つは、栄養バランスの乱れです。高齢者の場合は食欲が低下し、栄養が不足し、免疫力が低下しやすくなります。2つめの原因は睡眠不足です。高齢者は寝つきが悪く眠りが浅くなるため、免疫力が下がります。睡眠の質が悪いと、自律神経の調整がうまくいかなくなって免疫力低下につながります。
ストレスと冷えも免疫力が低下する原因です。「病は気から」という言葉が表す通り、ストレスは万病につながります。ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、免疫力が低下します。冷えは血管を収縮させるので、免疫細胞や栄養がスムーズに運ばれずに免疫力が低下します。
体温が1度下がると免疫力が約3割低くなると言われています。高齢者は筋力が低下し、体温調節機能が弱まるため身体が冷えやすく、免疫力が低下してしまいます。このように、高齢者が複数の要因により、免疫力が低下する傾向があるので注意が必要です。